災害に負けない国づくり
ハリケーンや大津波、巨大地震…、自然災害の発生回数は、年々増え続けているんだ。そのたびに人類は大きな被害に直面してきた。大切なのは何か起きてからではなく、起きる前に対策を立てておくことだと僕たちは思っている。ここでは、世界や日本で起きている自然災害や、日本の防災対策のことを一緒に学んでいこう。
世界と日本の災害
世界では、どんな災害が発生しているんだろう?
毎年、世界中のあちこちで生活に深刻な影響を与えるほどの大きな自然災害が発生しているんだよ。まずは、どこで何が起きているのか一緒に見てみよう。
日本の災害発生頻度は、
世界トップクラス
では、日本の自然災害による被害はどうなんだろう。ちょっと難しいかもしれないけど、下のカードに書かれた質問の答えを考えてみよう。
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マグニチュードとは、地震が出すエネルギーの大きさを示す単位のこと。日本周辺には、複数のプレートによって複雑な力がかかっていて、世界全体と比べても有数の地震多発地帯とされているんだよ。
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2011年以前の記録上で最も高かった1896年の明治三陸津波(遡上高で約38.2mと推定)を上回って、日本で記録された最大の津波となったんだ。
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全国(アメダス)の1時間降水量(毎正時における前1時間降水量)50mm以上の年間発生回数は年々増加していて、1976~1985年の平均年間発生回数と比べると約1.5倍に増加しているんだ。
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台風によって引き起こされる災害には、風害、水害、高潮害、波浪害などがあるよ。これらは単独で発生するだけではなく、複合して発生し大きな被害となることもあるんだ。
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2020年は、これまでの年間平均発生件数(1,105件)の約1.2倍を記録するほどの被害が出たんだ。
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雪による事故のほとんどが、除雪作業中のもの。除雪中の事故は、建物の屋根の雪下ろしや、雪かきなどの作業中に発生しているんだ。
時代とともに防災の考え方も進化している
防災から減災、
そして国土強靭化へ
数多く発生した日本の自然災害の中でも昭和から令和にかけて、特に甚大な被害をもたらした災害が伊勢湾台風、阪神・淡路大震災、東日本大震災の3つなんだ。自然災害への対策を考え直すきっかけとなった災害だよ。
1959年伊勢湾台風
この台風の被害を受けて、日本は初めて「防災」という概念を明確にしたんだ。「災害対策基本法」制定や「防災計画」の策定を行って、事後ではなく事前の予防や対策に力を入れ始めたんだよ。
災害の予防・対策の実行防災
1995年阪神・淡路大震災
建物の倒壊被害と社会インフラへの打撃は計り知れないものだった。日本は、自然災害によって発生する被害を最小限に抑えるために、建物の耐震化、密集市街地対策や自助・共助の考え方を策定したんだよ。
災害の被害を最小限に抑える減災
2011年東日本大震災
日本は、この災害が起きるまで堤防や防波堤といった物理的な災害対策が中心だったんだ。でも、さらに損失を防いでいくためには、ハザードマップや防災教育といった情報や訓練で得られる非物理的な対策も同じくらい重視しなきゃいけないことに気づいたんだよ。
強くてしなやかな国づくりへ国土強靭化
災害に強い国づくりと、日工の取り組み
国土強靭化計画の4つのプラン
2011年に発生した東日本大震災を受け、2013年には「国土強靱化基本法※」が施行され、さらにこれを受けて2014年には「国土強靭化基本計画」が作られたんだよ。この計画では4つの基本目標が掲げられていて、どんな自然災害が発生しても、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社会をつくることを目指すことが書かれているんだよ。 ※正式名称は「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」