日工株式会社

日工のご提案(3)
建設発生土(残土)処理の機械化

建設発生土(残土)の改良はどうあるべきか? 2023年5月改正を踏まえて

建設発生土(残土)のリサイクル・廃棄においては、通常、法規制に基づく方法での土質改良が必須とされます。近年、この管理に関する規制はさらに厳格化。適正な手段での土質改良の実践に加え、改良前後の土質の厳密な評価と記録などがこれまで以上に重要となりました。

このページでは、盛土規制法の内容も踏まえた適正な建設発生土処理について、実際のソリューション提案の例を交えてご説明します。

建設発生土(残土)の土質の把握や的確な計量・管理が求められている

盛土の管理と罰則適用の厳格化を求める盛土規制法が施行

厳格化の背景にあるのが、2023年(令和5年)5月の「宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)」です。
本法は2021年に静岡県熱海市で発生した盛土崩落事故を受けて施行されました。危険な盛土等を包括的に規制すべく、各都道府県、工事主、土地所有者などの各関係者に必要な対応を求めています。

盛土規制法のポイント

  • 盛土が崩落・流出することで人家に被害をもたらしかねないエリアは「規制区域」と設定する
  • 「規制区域」で盛土などを行う工事主などに対して、事前の申請や中間報告、必要な検査の徹底を求める
  • 無許可行為や命令違反などに対する罰則を強化する

規制の概要

1.スキマのない規制(都道府県知事、工事主など)

  • 規制区域の設定
    都道府県知事があらかじめ盛土等の規制区域を指定します。対象となるのは、盛土等の崩落や流出があった場合に、人家などに被害を及ぼしうる区域です。
    市街地や集落、その周辺など、森林や農地も含め広く指定します。市街地や集落から離れていても、地形などが理由で人家などに被害を及ぼしうる斜面地などのエリアも、同様に指定します。
  • 規制対象の設定
    規制区域内で盛土などを行う場合、工事主は、事前に申請して都道府県知事の許可を受ける必要があります。
    これには宅地造成などに伴う盛土だけでなく、いわゆる土捨て行為や、一時的な堆積も含まれます。

2.盛土等の安全性の確保(都道府県知事、工事主など)

  • 許可基準の設定
    盛土等を行うエリアの地形・地質等に応じて、災害防止のために必要な許可基準を都道府県知事が設定します。
  • 中間検査・完了検査の実施
    工事主は施工中、以下を実施する必要があります。これは許可基準に沿って安全対策が行われているかどうかを確認するためです。
    • 施工状況の定期報告
      都道府県ごとに定める中間検査・定期報告制度の対象となる案件では、施工状況を定期報告する必要があります。
    • 施工中の中間検査
      都道府県ごとに定める中間検査・定期報告制度の対象となる案件では、定められた工程について都道府県知事に検査を申請し、中間検査合格証の発行を受ける必要があります。
    • 工事完了時の完了検査
      施行時に申請を行った工事ではすべて、完了後に都道府県知事の検査を申請する必要があります。規程等に問題なく適合していれば、都道府県知事から検査済証が交付されます。

3.責任の所在の明確化(土地所有者、工事主など)

  • 管理責任の明確化
    盛土等が行われた土地については、土地所有者などが常時安全な状態に維持する責務を有することとなります。
  • 監督処分の実施
    都道府県知事は、災害防止のため必要なときは、土地所有者や工事主などに対し、工事の停止や必要な災害防止措置の実施を命令できます。

4.実効性のある罰則(土地所有者、工事主など)

無許可行為や命令違反などに対する罰則が強化されます。違反などがあった場合、条例による罰則の上限より高い水準の懲役刑や罰金刑(最大で懲役3年以下/罰金1,000万円以下/法人重科3億円以下)が課せられます。

出典:国土交通省発表資料に基づき当社作成
宅地造成等規制法の一部を改正する法律案要綱
宅地造成等規制法の一部を改正する法律(令和4年法律第55号)
掲載ページ https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_tobou_tk_000076.html
宅地造成等規制法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案要綱
掲載ページ https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi06_hh_000085.html

土質改良プロセスにおいても配慮が必要に

上記の通り、盛土規制法は工事主に対しても災害防止に向けた対応を求めています。これは、盛土(土捨て、一時的な堆積を含む)に関する一連のプロセスはもちろん、使用する改良土の質についても、これまで以上に厳密な管理が求められることを意味します。

工事主による対応のポイント

  • 土質改良作業の高品質化
    建設・解体工事の現場では、熟練の作業者がバックホウなどを用いて土質改良を行うことも少なくありません。しかし今後は、改良後の土の品質を一定に保つことがますます重要となります。土質のムラなどが原因で、都道府県による中間検査や完了検査をクリアできなかった場合、工期やコストに影響が生じるだけでなく、場合によっては工事の中止もあり得ます。
  • 土質改良工程のデータ管理
    厳密な品質管理を励行するだけでなく、適正性を証明するためのデータ取得(正確な計測とデータ化)も重要です。これにより中間報告や中間・完了検査に備えやすくなります。
  • 検査対応のための素早い情報整理
    計測結果をデータベース化して管理しておくことで、報告・検査への対応にかかる負担も減殺することができます。

作業、プロセスの両面を機械的に行える仕組みづくりが必須に

固化材の投入量計算、混練状況のデータベース化……改良処理の機械化で作業負荷軽減

均質な改良土を実現するには、建設発生土(残土)の発生量に対して常に一定の量の固化材を計量、投入し、全体を均一に混練していく必要があります。法規制対応に伴うこうした作業負荷を低減するうえで、専用に設計された土質改良機などを導入するメリットが大きくなっています。作業を機械化することで、適切なタイミングで適切な量の固化材を自動投入し、あわせてデータベース化します。

工程の機械化・自動化は、作業品質のムラをなくす、後継者不足に対応するといった観点でも有効な対策です。

混練工程でのメリット

  • 残土量にあわせた正確な計量のイメージイラスト

    残土量にあわせた正確な計量

  • 混成中の自動機械のイメージイラスト

    均質なミキシング(混練)

  • 作業負荷の低減のイメージイラスト

    作業負荷の低減

データ管理におけるメリット

  • データの取得漏れや計測ミスの防止のイメージイラスト

    データの取得漏れや計測ミスの防止

  • 報告提出のスムーズ化のイメージイラスト

    報告提出のスムーズ化

  • 取引先からの信用獲得のイメージイラスト

    取引先からの信用獲得

事前の適切なプロセス設計も重要に

こうした作業面を自動化していくことに加えて、厳格な法対応を盛り込んだプロセス設計の重要性も増しています。必要な工程をテンプレート化し、ある程度「機械的」に進行していけるよう環境を整えることも重要です。

日工では自動計量が可能なミキシングユニットや自走式の連続型ミキサユニットを提供しているほか、多彩な建設機械やプラント用機械を提供してきた経験を活かし、法規制を盛り込んだプロセス全体の設計をお手伝いします。以下、提案事例の一部をご紹介します。

日工の提案範囲

日工の提案範囲

日工の提案事例(1)

設置の手間を最小化する自走式土質改良機

ポイント

  • 発生場所で土質改良処理(オンサイト処理)が可能な自走式
  • 内部に発電機を搭載し、電源供給が不要
  • 二軸の連続パドル式ミキサで幅広い土質に対応
  • ムダなく均質な拡散で薬剤・固化材の使用量を削減
  • 土砂の送り量と固化材投入量を正確に記録し、品質管理を支援

土質改良へのミキシングユニット導入の妨げになりやすいのが、機械の設置スペースや電源の確保です。やむを得ず建設発生土(残土)を輸送してから処理するケースも少なくありません。
日工は自走式土質改良機「Mobix」でこれらの課題を解決。ムダのない混錬で省エネ・省資源にも貢献しています。

さまざまな現場に導入しやすい自走式ユニット 画像

さまざまな現場に導入しやすい自走式ユニット

高い混錬性能で省エネ・省資源 画像

高い混錬性能で省エネ・省資源も

日工の提案事例(2)

高い混練性能をもった計量器付きミキシングユニット

ポイント

  • 移設が容易なALL in ONEミキサユニット
  • 設定量の固化材・薬剤を自動で計量、投入
  • バッチ式ミキサのため混練時間は自由に設定ができます。
  • ミキサパドルの形状は目的に応じて選択可能(3タイプ)
  • バッチごとに配合履歴を保存でき、出荷後の精密な追跡報告が可能

固化材・薬剤の計量は、ミキシング工程のなかでも特に厳密性が求められる部分です。日工の計量器付き自動ミキシングユニット「Neo」は、この計量と投入を自動化できるだけでなく、混錬時間やパドル形状をある程度自由に設定でき、対象となる土(建設発生土)の質に合わせた柔軟な運用が可能です。

コンパクトサイズで、移設が容易なALL in ONEのユニット式を採用するなど、省スペースへの要望にもお応えしています。

日工の提案事例(3)

コスト削減・石膏ボードの再利用に貢献する固化材製造設備

ポイント

  • 石膏粉から固化材を自社製造し、コスト削減を実現
  • 中性の半水石膏を固化材とすることで周辺環境への影響を最小化
  • 混錬設備などをあわせたプロセス全体の設計・ご提案が可能

通常、土質改良処理には、混練によって土を固めるセメント、石灰などが欠かせません。これら固化材の製造には大きなエネルギー(熱)を要し、昨今の原料・燃料の価格高騰もあって、固化材にかかるコストが土質改良全体でも大きなウェイトを占めるようになりました。

そこで日工では、石膏粉を半水石膏(CaSO4・1/2H2O)にして、固化材を自社製造できるプラントをご提案。周辺設備の設計・提案とあわせ、コスト削減や効率化に貢献しています。

納入事例:株式会社田中建設様

固化材プラントの概要図

日工の提案事例(4)

埋戻し・裏込め工法のための流動化処理土製造設備

ポイント

  • 最新機器を用いたプロセス自動化で品質を安定
  • 大規模工事に求められる水準の品質管理・トレーサビリティを確保
  • 状況に応じた適切なミキサ、操作盤の提案が可能

大規模工事での使用が多い流動化処理土。多くはゼネコンが発注先となり、品質管理やトレーサビリティにも高い水準が要求されます。

バッチャープラント(生コンクリートプラント)を長年手掛け、生コンクリート混練のトップメーカーでもある日工は、その技術・製品を活かして、流動化処理の自動化・機械化を広く提案。プラント設計に関するご提案や納入後の定期メンテナンスまで担い、高水準・高効率の品質管理を支援しています。

流動化処理プラント全景

流動化処理プラント全景

タッチパネル操作盤で集中操作

タッチパネル操作盤で集中操作

まとめ:法対応のポイントを押さえて工程・プロセスの見直しを

建設発生土(残土)管理については今後、各自治体などでも必要なルール整備が進む見込みです。土質改良事業者の作業負荷低減という観点から、作業の機械化やデータのデジタルアーカイブ化が要請されることも考えられます。

こうした対応も視野にプロセス設計を行い、設備と運用の両面から、厳密な作業・データ管理が可能な体制を構築することが重要です。

日工では、質の高い土質改良やデータ取得に対応した
各種製品・サービスを提供しています。

日工では、燃料転換の課題解決に貢献する
さまざまな機器やシステムをご提案します。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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