注目されるバイオマス:省CO2に向けた次世代燃料のひとつとして
社会全体のCO2排出量を削減していくにあたり、一つの方法として注目されているのが「バイオマス燃料」を用いた発電や熱回収です。特に木質バイオマスなど、植物由来のエネルギー源を取り入れることで、化石燃料使用時とくらべトータルでのCO2排出量を下げられると期待されています。
バイオマス燃料の種類

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次世代燃料の普及促進へ:バイオマス燃料導入や副産物の燃料化を支援
燃焼技術を用いて多様な提案を実施。木質バイオマス発電で強みも
日工は乾燥、加熱、燃焼などの機能を有する熱風発生炉のメーカーとして、保有する技術を活用し、お客様のバイオマス燃料導入や、事業プロセス上生じる副産物の燃料転用を支援しています。
日工の主なバイオマス燃料/副産物の燃料化提案
- 木質バイオマス
・木質バイオマスガス化発電
・木質ボード工場の木紛の燃焼 - 農業系バイオマス
・農業副産物である「もみ殻紛」の燃焼 - 生活系バイオマス
・廃食用油の燃焼 - その他
・機械油等から再生された再生油の燃焼
・カーバイド工場で生じるカーボン紛の燃焼
・BDF(バイオディーゼル燃料)製造時に生じる副産物の廃グリセリンの燃焼
日工の提案範囲

なかでも、木質タールを化学反応させて生じたガスを利用する木質バイオマス発電(木質バイオマスガス化発電)では、副産物であるタールを再利用し、ゼロエミッションを実現するシステムをご提案しました。これにより2023年7月に、(一社)日本産業機械工業会主催の第49回優秀環境装置表彰において、「日本産業機械工業会会長賞」を受賞しています。
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日工の提案事例(1)
木質バイオマス発電の副生物(タール)を余さず利用
(液体バイオマス燃料バーナのご提案)
ポイント
- 発電所内で生じるタールを自家消費で、車両搬出も不要
- 二次燃焼炉で使用する化石燃料を代替、CO2排出を削減
- 専焼での通常運転も可能
木質バイオマス(木材チップ)を用いたガス化発電では、副生物として大量のタールが発生することがあります。タールは酸性、高粘性であり、移送・貯留に大きなエネルギーや専用設備が必要となるほか、配管にこびりついたタールの洗浄もメンテナンス時の負担となってきました。
日工では保有する高粘性液体の燃焼技術を活かし、発電設備内でタールを自家消費できるバイオマスバーナを開発、提供しています。タールを二次燃焼炉の燃料として転用するため、通常必要となる化石燃料も不要となり、CO2排出量のさらなる削減にも寄与します。

参考(外部ページにリンクします)
バーナ構造

発電設備フロー図

日工の提案事例(2)
粉体バイオマス(もみ殻など)燃焼で幅広い燃料調達が可能
(粉体バイオマス燃料バーナのご提案)
ポイント
- 粉体燃料を旋回させることで均一で安定した燃焼を実現
- もみ殻やおがくずの燃料転用でCO2排出量削減にも寄与
- 混焼による化石燃料使用量低減も可能
バイオマスを含む粉体燃料全般の課題として、燃焼するまでの時間が長いため、液体・気体燃料と比べて燃焼しにくいことが挙げられます。そこで日工では、燃焼室の中で粉体燃料を旋回させ、燃焼時間を確保するとともに均一に拡散。安定した燃焼を実現した粉体バイオマスバーナを開発、提案しています。もみ殻粉と重油の混焼テストでは、重油の使用量を70%削減できました。農業副産物を燃料とできるため、燃料コストやCO2排出量の削減にもつながります。
燃焼テスト

日工の提案事例(3)
木質バイオマス(廃水脱水物)を廃水蒸発システムの燃料に活用
(木質ボード製造廃水システムのご提案)
ポイント
- 木質ボード製造時の廃水蒸発処理で燃料転換を実現
- 製造過程で生じる廃水脱水物をあわせて燃料利用
日工では、コンベヤなどの技術も活かし、バイオマス燃料を活用したシステム全体の提案にも注力しています。
一例として、木質ボード※の製造過程で発生する廃水の蒸発処理設備において、熱源として木質チップを用いるシステムを提案しました。廃水中に含有される原料木材紛を分離・脱水したものもあわせて燃料利用できるようにすることで、燃料転換によるCO2排出削減に貢献するだけでなく、廃水処理などの手間も軽減したムダのないシステムです。
※細かな木片や木くずを接着剤などで固めたもの。建材、家具等の材料として用いられる

設備フロー

日工では、バイオマス燃料の導入推進に寄与する
各種製品・サービスを提供しています。
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CO2排出量削減に寄与
液体バイオマス燃料バーナカーボンニュートラルとなる液体バイオマス燃料を効率よく燃焼させるバーナシステムです。
ここが
ポイント木質バイオマス発電、バイオディーゼル製造の副産物(木質タール、廃グリセリン)も燃料として使用が可能。専焼・混焼にも対応
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未利用可燃物資源の活用
粉体バーナ木粉、米ぬか、もみ殻紛、石炭粉など、さまざまな粉体燃料を、効率よく燃焼させるバーナシステムです。
ここが
ポイント使用する粉体に応じて、供給~燃焼までの適切なシステムをご提案
バイオマス燃料を使用することにより、カーボンニュートラルもあわせて実現
粉体燃焼用のテスト装置も所有しており、燃焼テストも可能
燃焼技術(バイオマス燃料の導入)に関するその他のご相談も、
お気軽にお問い合わせください。